射雕英雄伝
時は南宋の中期。義侠心で結ばれた二人の男・郭(かく)と楊(よう)が、祖国のために戦う日を心待ちにしながら、それぞれの身重の妻とともに気高く暮らしていた。風雪吹き荒むある日、村を通りかかった全真教(ぜんしんきょう)の道士・丘処機(きゅう・しょき)と意気投合。3人は大いに語りながら酒を飲み交した。数日後、再び村を訪れた丘処機は惨状を目の当たりにする。郭と楊が何者かに襲撃されて絶命し、妻たちは別々に連れ去られていたのだ。それが自分を追って来た敵の仕業と悟り、2人の妻の救出を誓って旅に出るのだった。道中、小さな誤解から江南七怪(こうなんしちかい)と名乗る七人の侠客と死闘を繰り広げることになるが、一刻も早く夫人たちを救いたい一心の丘処機は、彼らにある提案を持ちかける。それぞれが連れ去られた妻たちを探し出し、産まれてくる子供に武術を仕込む――そして18年後に子供らを闘わせて勝敗を決める、というものだった。何年も広大な中国大陸をさすらい、ようやくモンゴルの小さな村に郭の妻子を探し出した江南七怪。一方の丘処機も、宋の敵国である金で楊の妻子を見つけていた。2人の子供は、それぞれ全く違う境遇で師匠たちから武芸の手ほどきを受けながら成長する。そして18歳の春、“約束の地”へ向けて旅立った彼らは、波乱万丈な物語を紡ぐことになるのだ…。
