徒花-ADABANA-
裕福な家庭で育ち、理想的な家庭を築いていた新次 (井浦新) は、死の危険も伴うような病気にむしばまれ、とある病院で療養していた。しかし毎日眠れず、食欲も湧かず、不安に苛まれている。新次の心理状態を常にケアしていた臨床心理士のまほろ (水原希子) から「普段、ためこんでいたことを話すと、手術に良い結果をもたらす」と言われ、過去の記憶を辿る。しかし、記憶がよみがえったことで、さらに不安がぬぐえなくなった新次は、まほろに「それ」という存在に会わせてほしいと懇願する。「それ」とは、上層階級の病気の人間にだけ提供される、全く同じ見た目の“もう一人の自分 (それ) ”であった。新次は、「それ」と対面し、自分とまったく同じ姿をしながらも、今の自分とは異なる内面を持ち、また純粋で知的な「それ」に関心を持ちのめりこんでいく……。
